犬の床ずれ・褥瘡の治療・予防 老犬(中型犬)の体位変換

Old Dog 床ずれ・褥瘡
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人間のようにイヌも寝たきりになると床ずれ・褥瘡ができるリスクがあります。かかりつけの獣医さんによると体重が10gを超えると床ずれ・褥瘡になることが多くなるそうです。

スタッフ犬(ボーダー・コリー ♀ 16歳 13kg)も寝たきりになって数日で左腰に床ずれ・褥瘡ができてしまいました。

犬の褥瘡(床ずれ)治療 Vol.1/17 20180726-20180728
16歳になったボーダー・コリー。ちょっと油断をしていたら床ずれ・褥瘡ができてしまいました。治療について日記的に記していきたいと思います。 湿潤療法・ラップ療法を試すことになりました。

床ずれ・褥瘡ができる原因は圧迫による血行不良ズレによるもので、予防や既に出来てしまった床ずれ・褥瘡の治療にも重要なのもののひとつが体位変換です。

頑張れば床ずれ・褥瘡は治ります。

犬の褥瘡(床ずれ)治療 【完治しました】 20190103
16歳のスタッフ犬が寝たきり状態になり左腰に褥瘡(床ずれ)ができてしまいました。半年位以上に及ぶ湿潤療法・ラップ療法を試して完治しましたのでまとめました。
多くは参考図書を自分なりに解釈しております。独自の評価・判断に基づいて処置しており、これらを参考にして起こった事故等の責任を当方で負うことはできませんのでご了承ください。
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側臥→伏臥

最初に獣医さんからいわれたのは伏臥(=伏せの姿勢)をする工夫をしてくださいということでした。

犬の床ずれ・褥瘡の治療・予防 伏せの姿勢を保持する
16歳になるボーダー・コリー。ちょっと油断をしていたら床ずれ・褥瘡ができてしまいました。獣医さんの話では「伏せの姿勢」をするようにしてくださいとのこと。伏せの姿勢をするための工夫をしてみました。市販品でそういったものもあるのですね。
犬の褥瘡(床ずれ)治療 Vol.2/17 20180729-20180810
16歳になったボーダー・コリーに床ずれ・褥瘡ができてしまいました。治療について日記的に記していきたいと思います。 湿潤療法・ラップ療法を試すことになりました。穴開き水切り袋+母乳パッドで作るドレッシング材で処置してみました。

その1)

  1. 上体を持ち上げて後ろ足を伏せの状態に開きます。(筋力が弱ってくると足が内側に入りやすくなるので手で開いて上げる必要が出てきました)
  2. ゆっくり上体をおろして伏せの姿勢にします。
  3. そのままでは保持できないのでクッションなどで支えてあげます。

その2)

  1. 上体を伏せの状態にする。
  2. 後ろ足を畳み、腰を持ち上げて伏せの位置に足を移動する。
  3. クッションなどで保持する。

その頃は全く余裕がなくて動画を撮っていませんでした💧

伏臥→側臥

腰をずらして足を抜くだけで側臥に。ただし体位変換をした後は後述の背抜き尻抜きをしたほうが良いようです。

側臥→側臥

床ずれ・褥瘡が出来た当初は傷口を下にしないように頑張っていました。しかし伏臥では夜中になかなか寝てくれませんでしたので、最初に出来た床ずれ・褥瘡がある程度治ってきたら傷のある側を下にした側臥も使うようになりました。また更に筋力が弱ってくると全身ヘロヘロになってしまうので伏臥は出来なくなりました。

したがって 右下側臥→左下側臥→右下側臥… という具合になりました。

背中を下にして転がすと胃捻転を起こす恐れがあるそうです。お腹を下にして体位変換したほうが良いです。スタッフ犬(中型)の体位変換は次のようにしていました。

背中側から

  1. イヌの背中側にまわります
  2. お腹側に当たる手で頭を少し持ち上げ、頭側に当たる手を下面の肩→脇の下から差し込んで上面の肩を抱きます
  3. お腹側の手をお腹の下に差し入れ上面のお腹を抱きます
  4. そのままお腹を下に抱き上げてすこし反対側に倒しおしりから着地します
  5. ゆっくり頭を下ろし背抜き・尻抜きをします

お腹側から

  1. イヌのお腹側にまわります
  2. お腹側に当たる手で頭を少し持ち上げ、頭側に当たる手を下面の脇のしたから差し込んで肩甲骨の間あたりを支えます
  3. お腹側の手をお腹の下に差し入れ下面のお腹を抱きます
  4. 両手をひきつけてお腹を下に抱き起こしてすこし反対側に倒しおしりから着地します
  5. ゆっくり頭を下ろし背抜き・尻抜きをします

上体を伏せの姿勢にし、後ろ足を畳んで腰を持ち上げてお腹の下を通す方法も有るのですが、四肢とも伸びたままで曲がり辛くなっていたので持ち上げる方法を取りました。

背抜き・尻抜き(・かかと抜き)

人間の介護では寝ている状態から上体を起こしたり、逆に起きた状態から上体を倒した後には、体の各部を軽く持ち上げてシーツのシワ取りと体を撫でる作業をするようです。これをすることでズレを軽減して床ずれ・褥瘡を予防できるとのこと。

これを知らなかったためにスタッフ犬も肩の発赤(床ずれの初期段階)を何度か繰り返しました。

犬の褥瘡(床ずれ)治療 Vol.8/17 20181001-20181010
スタッフ犬も16歳となり、寝たきり状態になり左腰に褥瘡(床ずれ)ができてしまいました。床ずれ治療について数日分をまとめた日記を投稿しております。湿潤療法・ラップ療法を試すことになりました。新たに左肩に床ずれができてしまいました。
スタッフ犬(老犬)にまた発赤・紅斑ができてしまいました
寝たきりになってしまったスタッフ犬(ボーダー・コリー 16歳)の左肩に床ずれ・褥瘡の初期状態である発赤・紅斑ができてしまいました。デュオアクティブETで処置をした経過をまとめます。

体位変換の間隔

人間の場合は一般的に2時間おきに体位変換をするようです。映画などをみていて座りっぱなしでいるとお尻が痺れてきますね。それが圧迫による血行不良だと思います。それでも在宅介護の多くでは夜間は1回(おむつ交換のタイミング)だとか。

マットの素材や骨が出っ張っていたりなどの固有の条件があるのでそれを加味して行わなくてはなりませんね。

昼間

当初は床ずれ・褥瘡のある左側を全く下にしないように

右下側臥→伏臥→右下側臥… と、2〜3時間おきに体位変換をしていました。

床ずれ・褥瘡がかなり良くなってきた頃には

右下側臥→伏臥→(左下側臥)→右下側臥… と、時々傷口を下にすることもありました。

全身の筋力が弱ってきてからは伏臥自体が負担のようだったので伏臥をやめてしまいました。そのかわりタイマーを使ってしっかり時間を守るように徹底しました。

右下側臥(3時間)→左下側臥(1.5時間)→右下側臥(3時間)…

と、傷のある側は少なめの時間設定。

夜間

夜間も当初は床ずれ・褥瘡のある左側を全く下にしないように

右下側臥→伏臥→右下側臥… と、2時間おきに体位変換をしていました。

伏臥ではなかなか寝てくれないのがキツかったです😥

床ずれ・褥瘡がかなり良くなってきた頃には(夜はなるべく眠りたいので)

右下側臥(3時間)→左下側臥(1.5~2時間)→右下側臥(3時間)…

と、傷のある側を少なめに体位変換をしていました。

参考図書

人間の床ずれ治療に関する本ですが、全面カラーでとても詳しいです。この分厚さでこのお値段なら一冊もっておいて損はありません。

まとめ

床ずれ・褥瘡は適切に治療すれば治ります。じつは傷口の処置よりも大変なのはこの体位変換だと思います。

2時間おきの体位変換はとても一人では出来ません。夜間は介護者も睡眠が取れなくなります。ご家族やペットシッターなどに協力を頂いたほうが良いです。

体圧分散マットを使用することで体位変換の間隔を多少は長くすることができるかもしれません。

犬の床ずれ・褥瘡の治療・予防 体圧分散マットを購入
愛犬の床ずれ・褥瘡治療、予防のために体圧分散マットを購入しました。 低反発、高反発と有るのですね。

 

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